障害者差別解消法とデジタル対応！音声化で進める情報アクセシビリティ

音声ガイドシステムの仕組みとメリット

音声ガイドシステムとは、テキスト情報を音声データに変換し、音声による情報提供を行うシステムです。障害者差別解消法の対応として、デジタル化を進める企業担当者・自治体担当者にとって、音声ガイドシステムの導入は情報アクセシビリティ向上に有効な施策の1つです。

基本的な仕組みとしては、テキスト情報をクラウドシステムにアップロードしておき、情報を取得したい時に「再生」操作を行うと、音声合成エンジンによって自然な音声に変換され、利用者の端末のブラウザに配信されます。クラウドには音声データの形で保存されていないため、データ容量が小さく、テキストデータを更新するだけで、音声も常に最新の情報にアップデートされます。

音声ガイドシステムのメリットは以下のように多岐に渡ります。

音声化コンテンツは、視覚に頼らず情報を取得できるため、アクセシビリティ向上に大きく貢献します。特に、視覚障害のある方や高齢者の方にとって、音声ガイドは情報取得を格段と快適にするでしょう。

障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション推進施策法とは

障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法は、2022年5月25日に日本で成立・施行された法律です。この法律は、全ての障害者が社会の一員として、あらゆる活動に参加できることを目的としています。そのためには、十分な情報の取得と利用、また円滑な意思疎通が大切であるとされています。

そのため、企業・自治体担当者は、障害のある人々も情報にアクセスしやすくするための対応が必要です。たとえば、以下のようなデジタル化のアイデアを検討できます。

これらの対応策は、障害者差別解消法への対応だけでなく、より多くの人にとって使いやすいウェブサイトを実現するうえで効果的です。音声化やクラウド技術の活用は、情報アクセシビリティ向上に大きく貢献します。

障害者差別解消法と情報アクセシビリティの関係

障害者差別解消法は、障害のある人々が社会のあらゆる場面で平等に機会を得られるようにすることを目指しています。この法律と情報アクセシビリティは密接に関連しています。

ウェブサイトやデジタルサービスのアクセシビリティが不十分だと、視覚・聴覚・認知・運動などに障害を持つ人々は、必要な情報を得るのが難しくなるでしょう。これは、障害者差別解消法の趣旨に反することになります。

一方で、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の目的は、障害者が情報を十分に取得して利用できるようにすることです。つまり、障害者差別解消法は差別行為をなくすことに焦点を当てているのに対し、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法は情報アクセスに焦点を当てています。

そのため、この二つの法律は、障害者が社会で平等に参加するための重要な枠組みとして相互に補完しています。

改正障害者差別解消法では、企業にも合理的配慮の提供が義務化されました。デジタル分野では、情報アクセシビリティの確保が重要視され、音声読み上げ機能や字幕の提供が求められます。

企業や自治体担当者は、以下のようなデジタル化のアイデアを検討することで、情報アクセシビリティを向上させ障害者差別解消法に対応できます。

これらの対策は障害のある人だけでなく、高齢者や外国人など、さまざまな人がウェブサイトやサービスをより快適に利用できるようにするものです。